渡辺謙・第三歌集『プリムラの花』が出来上がりました!
2020.07.31 18:25|刊行情報|
昭和28年に「歩道」に入会し、佐藤佐太郎に師事。今年の二月に百歳を迎えた渡辺謙(ゆづる)さんの第三歌集『プリムラの花』が出来上がりました!

歩道叢書
著者の渡辺謙さんは「歩道」草創期に佐藤佐太郎に師事、佐太郎短歌を極めた、会員歴七十年余の「歩道」の先進で、本年二月に百歳を迎え本集をまとめられた。一読自在で、感動あふれる秀歌集である。殊に病に倒れた夫人を、自ら持病に苦しみながら看護し、やがてそこに生きる意義を見出す作歌は前人未到と言うべき境地で、今日の高齢社会における抒情詩短歌の存在に一石を投じている。 「病後なる妻を守りて送る日々何時しかわれの生き甲斐となる 謙」 より多くの短歌愛好者の一読を希(こいねが)ってやまない。(秋葉四郎「帯文」より)
●歌集より5首
春あさき雑木林に霧たちて飛び交ふ山雀(やまがら)人を恐れず
幾度の難逃れけん美しき観音立像けふも来て見つ
人々は廃墟の上に悲しめど日に映えて飛ぶ白きかもめら
病む妻の瘦せ行く様を見る度にわが身削らる思ひするなり
亡き母の生れは肥前伊万里にて遺品の古磁器いろ衰へず
四六判上製カバー装・296頁
帯文:秋葉四郎
装幀:南 一夫
定価:2,500円+税
送料:370円